フリーランスに関係する制度のまとめと更新
ITフリーランスに関係する制度について、いま押さえておきたい点と、公的機関が公開した更新を日付順にまとめています。どの記載も公的機関の公開資料にもとづき、当サイトによる解釈や推定は含みません。
いま押さえておきたい制度(2026年9月26日時点)
- インボイス制度2026年10月1日〜
- 国民年金保険料の育児免除2026年10月〜
- フリーランス法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)2024年11月1日施行
- 取適法(旧・下請法)2026年1月1日施行
- 所得税の基礎控除の引上げ2026年分〜
- 青色申告特別控除の見直し2027年分〜
- iDeCo の拠出限度額の引上げ2026年12月〜
- 労災保険の特別加入2024年11月1日〜
公的機関の公開資料の記載を、当サイトが短くまとめたものです。制度の適用や税額は個別の事情で変わります。判断は出典のページと、税理士・社会保険労務士等の専門家によってください。
インボイス制度2026年10月1日〜
2026年10月1日から、免税事業者からの仕入れで控除できる割合が80%から70%に下がります。2割特例は2026年分の申告までです。
2割特例は2026年9月30日を含む課税期間までで、個人事業者は2026年分(1〜12月)までです。3割特例は2027年分・2028年分の個人事業者に限ります。(出典: 国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(令和8年4月))
- 売上税額の2割を納める「2割特例」は、2026年9月30日を含む課税期間で終わります。個人事業者は2026年分の申告が最後です。(出典: 国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(令和8年4月))
- 2027年分と2028年分は、個人事業者に限って売上税額の3割を納める「3割特例」が使えます。2割特例と同じく、免税事業者から登録した人などが対象で、申告書に適用を受ける旨を書きます。(出典: 国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(令和8年4月))
- 免税事業者など登録していない相手からの仕入れで控除できる割合は、2026年10月から70%、2028年10月から50%、2030年10月から30%となり、2031年10月からは控除できなくなります。(出典: 国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(令和8年4月))
国民年金保険料の育児免除2026年10月〜
2026年10月から、子が1歳になるまで、自営業者など国民年金の第1号被保険者の保険料が所得に関係なく免除されます。原則として届出が必要です。
- 対象は、1歳になるまでの子を育てる国民年金第1号被保険者の実父母・養父母です。届出をすると、所得に関係なく保険料の納付が免除されます。(出典: 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」)
- 免除されるのは、子を育てることになった月から1歳の誕生日の前月までの最大12か月(2026年10月1日以降に限る)です。産前産後の免除を受けた実母は、その免除期間に続く9か月で、日本年金機構が親子関係などを確認できる場合は届出が要りません。免除された期間は、保険料を納めたものとして老齢基礎年金の額に反映されます。(出典: 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」)
フリーランス法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)2024年11月1日施行
2024年11月1日に施行されました。公正取引委員会は2025年度に勧告10件・指導1,542件を行っています。
- 従業員を使用する発注事業者など(特定業務委託事業者)には、取引条件の書面等での明示、給付を受け取った日から60日以内の報酬支払、募集情報の的確な表示、ハラスメント対策が義務づけられています。1か月以上の業務委託では受領拒否や報酬減額などが禁止され、6か月以上の業務委託では育児介護等との両立への配慮と、契約を解除するときの30日前の予告が加わります。従業員を使用しない発注事業者に課されるのは、取引条件の明示です。(出典: 公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省「ここからはじめる フリーランス・事業者間取引適正化等法」(パンフレット))
- 公正取引委員会が2025年度に処理した違反の疑いのある事件は1,597件で、このうち1,552件に勧告または指導を行いました。違反を類型別にみると(延べ2,727件)、報酬の支払期日(1,135件)、取引条件の明示(1,126件)、買いたたき(250件)の3つで9割を超えます。勧告を受けた事業者は一覧で公表されています。(出典: 公正取引委員会「令和7年度におけるフリーランス・事業者間取引適正化等法第2章の運用状況及びフリーランスに係る取引の適正化に向けた取組」(2026年6月10日)、公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法勧告一覧」)
- 法律の附則は、施行後3年を目途に見直しを検討すると定めています。(出典: 厚生労働省 法令等データベース「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」)
- 取引上のトラブルは「フリーランス・トラブル110番」(0120-532-110、9:30〜16:30、土日祝日を除く)に無料で相談できます。弁護士が対応します。(出典: フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託事業))
取適法(旧・下請法)2026年1月1日施行
2026年1月1日に施行されました。フリーランス法にも違反する行為には、原則としてフリーランス法が優先して適用されます。
- 改正で、手形払等の禁止、協議を適切に行わない一方的な代金決定の禁止、従業員数による適用基準の追加などが加わりました。(出典: 公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」)
- フリーランス法と取適法の両方に違反する行為は、原則としてフリーランス法で勧告し、重ねて取適法で勧告することはないとされています。(出典: 公正取引委員会「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律と独占禁止法及び取適法との適用関係等の考え方」)
所得税の基礎控除の引上げ2026年分〜
2026年分の所得税から、基礎控除額が58万円から62万円に上がります。2027年春の確定申告から反映されます。
- 令和8年度税制改正で、所得税法の基礎控除額が62万円(改正前58万円)に引き上げられ、合計所得金額に応じた加算もあります。合計所得金額が2,350万円を超える人の基礎控除額は改正されていません。(出典: 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」(令和8年4月))
- 改正は原則として令和8年分(2026年分)以後の所得税に適用されます。(出典: 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」)
青色申告特別控除の見直し2027年分〜
2027年分から、優良な電子帳簿を付けると最大75万円の控除になります。簡易簿記の10万円控除は、前々年の事業収入が1,000万円を超えると使えなくなります。
| 帳簿と申告 | 収入1,000万円以下 | 1,000万円超 |
|---|---|---|
| 簡易簿記 | 10万円 | 0円(対象外) |
| 複式簿記+e-Tax | 65万円 | 65万円 |
| 複式簿記+e-Tax+優良な電子帳簿 | 75万円 | 75万円 |
出典: 国税庁「簡易簿記による10万円の青色申告特別控除を適用している皆様へ」(リーフレット)
- 複式簿記とe-Taxでの申告(65万円控除の要件)に加えて、請求書データ等との自動連携や訂正削除履歴の記録など一定の要件を満たす優良な電子帳簿を作成・保存している場合は、最大75万円の控除を受けられます。(出典: 国税庁「簡易簿記による10万円の青色申告特別控除を適用している皆様へ」(リーフレット))
- 簡易な簿記で記録している人のうち、前々年の事業所得等の収入金額が1,000万円を超える人は、10万円の青色申告特別控除を受けられなくなります。(出典: 国税庁「簡易簿記による10万円の青色申告特別控除を適用している皆様へ」(リーフレット))
iDeCo の拠出限度額の引上げ2026年12月〜
2026年12月から、自営業者など第1号被保険者の掛金の上限が月6.8万円から7.5万円(国民年金基金と合わせた額)に上がります。
| 〜2026年11月 | 2026年12月〜 | |
|---|---|---|
| 掛金の上限(月額。国民年金基金と合わせて) | 68,000円 | 75,000円 |
出典: 厚生労働省「令和8年12月からiDeCoがパワーアップします!」(チラシ)
- 第1号加入者のiDeCoと国民年金基金との共通の拠出限度額が、月額7.5万円に引き上げられます(2026年12月1日施行。令和7年政令第442号)。(出典: 厚生労働省「2025年の制度改正」(確定拠出年金)、厚生労働省 法令等データベース「国民年金基金令等の一部を改正する政令の公布について(通知)」(2025年12月24日))
- 70歳になるまで掛金を拠出できるようになります。掛金の所得控除はそのまま続きます。(出典: 厚生労働省「令和8年12月からiDeCoがパワーアップします!」(チラシ))
労災保険の特別加入2024年11月1日〜
2024年11月1日から、企業等から業務委託を受けるフリーランスは業種・職種を問わず特別加入できます。
- 加入は、都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体に申し込みます。加入手続は団体が行います。(出典: 厚生労働省「令和6年11月1日から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となりました」)
- 特定フリーランス事業の保険料率は1000分の3です。(出典: 厚生労働省「特別加入保険料率表(令和6年11月1日施行)」)
更新のタイムライン
2026年
| 日付 | 発表機関 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 2026-09-07 | e-Gov(デジタル庁) | 意見募集(産業一般) | 「小規模事業者の経営の改善発達を支援するための商工会及び商工会連合会並びに商工会議所及び日本商工会議所に対する基本的な指針改正案」に対する意見公募について |
| 2026-09-02 | 公正取引委員会 | フリーランス法 | 日本郵便株式会社に対する勧告について |
| 2026-08-26 | 公正取引委員会 | フリーランス法 | 株式会社ジェイトップに対する勧告について |
| 2026-08-13 | 公正取引委員会 | フリーランス法 | 東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校高等課程及び東京デザインテクノロジーセンター専門学校高等課程における「フリーランス法特別講義」の開催について |
| 2026-08-12 | 国税庁 | インボイス制度 | 令和8年熊本地震に関して、消費税の特例(インボイス制度関係を含む)は こちら をご覧ください。 |
| 2026-07-31 | 公正取引委員会 | フリーランス法 | 株式会社エフエム京都に対する勧告について |
| 2026-07-10 | 中小企業庁 | 中小企業支援 | 全東信の破産手続開始により影響を受ける中小企業・小規模事業者への支援を実施します |
| 2026-07-09 | 中小企業庁 | 中小企業支援 | 「小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>(第3回)」の公募要領を公開しました |
| 2026-06-10 | 公正取引委員会 | フリーランス法 | 令和7年度におけるフリーランス・事業者間取引適正化等法第2章の運用状況及びフリーランスに係る取引の適正化に向けた取組 |
| 2026-04-01 | 国税庁 | インボイス制度 | 令和8年度税制改正特集ページ を公開しました。 |
| 2026-02-02 | 国税庁 | インボイス制度 | インボイス制度特設サイトをリニューアルしました。 |
| 2026-01-16 | 国税庁 | インボイス制度 | 通達・ Q&A ページの「 インボイスの取扱いに関するご質問(PDF/970KB) 」を更新しました。 |
← 表は横にスクロールできます
2025年
| 日付 | 発表機関 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 2025-09-30 | 国税庁 | インボイス制度 | 通達・ Q&A ページにリーフレット「 任意組合等の届出書についてのお知らせ(PDF/2,886KB) 」と YouTube動画「 5分でわかるインボイス任意組合等の対応(外部サイト) 」を掲載しました。 |
| 2025-06-27 | 国税庁 | インボイス制度 | 通達・ Q&A ページの「 インボイス制度 Q&A 」を更新しました。 |
| 2025-06-26 | 国税庁 | インボイス制度 | 東京国税局及び名古屋国税局のインボイス登録センター移転について 「 東京国税局インボイス登録センター 」を更新しました。 「 名古屋国税局インボイス登録センター 」を更新しました。 |
← 表は横にスクロールできます
見出しは各機関の公開ページの表記をそのまま使っています。リンク先は発表した機関のページです。
制度ごとの公式ページ
制度の内容そのものは、所管の官庁が公開している次のページが一次情報です。
- フリーランス法: フリーランス・事業者間取引適正化等法 特設ページ(公正取引委員会)
- フリーランス法: フリーランスとして業務委託を受ける方へ(就業環境の整備)(厚生労働省)
- 労災保険: 労災保険の特別加入(厚生労働省)
- インボイス制度: インボイス制度 特設サイト(国税庁)
- 補助金: 補助金・助成金(公募情報)(中小企業庁)
読むときの注意
- 「更新のタイムライン」は、各機関が公開した更新の見出しと日付、およびその公開ページへのリンクです。冒頭の「いま押さえておきたい制度」だけは、公開資料の記載を当サイトが短くまとめています(各文に出典を付けています)。
- 制度の適用可否や税務の判断は、個別の事情によって変わります。当サイトの記載ではなく、所管の官庁の公式ページと、税理士・社会保険労務士等の専門家の判断によってください。
- このページに載っていない更新もあります。網羅性は保証しません。
出典
出典: 公正取引委員会ホームページ(https://www.jftc.go.jp/)、 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/)、 国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/)、 中小企業庁ホームページ(https://www.chusho.meti.go.jp/)、 e-Gov(https://www.e-gov.go.jp/)。 各ページの個別の URL は上の表のリンク先です。
当サイトは、これらの公開情報から日付・見出し・リンク先を抜き出して並べ替え、表の形に編集しています。 冒頭の「いま押さえておきたい制度」は、公開資料の記載を当サイトが要約したものです(日本年金機構のページと、厚生労働省の委託で第二東京弁護士会が運営する相談窓口のページを含みます)。 これらの編集は当サイトが行ったもので、国(又は府省等)が作成したものではありません。 最終取得日: 2026年9月22日。